松戸市ようちえんGUIDE2024松戸市ようちえんGUIDE2024

小規模保育施設と幼稚園の連携
小規模保育施設からの入園も安心!
家庭と園の丁寧なコミュニケーションが子どもの育ちを支える

松戸市では、幼稚園と連携した小規模保育施設からの「推薦制度」の導入や幼稚園の預かり保育の拡充を支援することで、共働きの家庭でも幼稚園を選択できるよう力を入れています。

また、連携する幼稚園と小規模保育施設は、定期的に交流を図り、意見交換や園庭開放などの行事を実施しています。

松戸市西馬橋にあるいわさき幼稚園も、小規模保育施設と連携している幼稚園の一つです。週4日の給食や預かり保育なども行なっているため、就労中の保護者も利用しやすく、多様な家族の居場所として機能しています。

今回は、いわさき幼稚園の理事長先生と園長先生、主任先生に教育の特色や子どもたちの様子についてお話を伺いました。いわさき幼稚園にお子さんを通わせているお母さんの声も紹介します。ぜひ幼稚園選びの参考にしてくださいね。

今回お話を聞かせてくださった、前山麻紀子主任(左)、関山秀雄園長(中央)、関山真己子理事長(右)
今回お話を聞かせてくださった、前山麻紀子主任(左)、関山秀雄園長(中央)、関山真己子理事長(右)

いわさき幼稚園はこんなところ

2023年に完成した新園舎。木のあたたかい素材感を感じることができる。
2023年に完成した新園舎。木のあたたかい素材感を感じることができる。

いわさき幼稚園は開園50年以上の歴史ある幼稚園。2023年3月には新園舎が完成し、木のぬくもりを感じられる明るい環境の中で子どもたちがのびのびと生活しています。

いわさき幼稚園の特徴について先生たちに聞いてみました。

関山園長「いわさき幼稚園では、あたたかい人間関係に支えられた、遊びを中心とした保育を心掛けています。幼児期の遊びは子どもたちの心身の発達において非常に重要です。この時期の遊びは人間力の基礎となります。好奇心や探究心、想像力、柔軟性、自主性、コミュニケーション力、忍耐力など、子どもは遊びを通してこういった力を獲得していきます。そのため、遊びは学びとも捉えることができるでしょう。また、当園では小学校入学を見越して『自立・自律』『主体性』『創造性』という3つの教育目標を立てています。幼稚園で過ごす3年間でこれらの力を身につけ、小学校からの義務教育の基礎を培うことをねらいとしています」

前山主任「運動会や発表会といった行事にも力を入れていますが、遊びの中の延長として行うように心掛けています。行事の練習も遊びとして導入し、子どもたちが楽しみながら本番を迎えられるように工夫して指導を行います。また、夏には戸外で思い切り泥んこ遊びを行なっています。家ではなかなかできないし、幼児期の今、幼稚園だからこそできる特別な遊びだと思います。子どもたちはいきいきとした表情で泥の感触や変化を楽しんでいますよ」

泥んこ遊びは夏限定の特別な遊び。子どもたちも全身泥だらけで思い切り楽しんでいます!(写真提供/いわさき幼稚園)
泥んこ遊びは夏限定の特別な遊び。子どもたちも全身泥だらけで思い切り楽しんでいます!(写真提供/いわさき幼稚園)
55周年に合わせて新調予定の制服。
55周年に合わせて新調予定の制服。

1日の流れ

1日の流れ


専門講師を招いた体育や音楽の指導が充実

関山園長「私たちは子どもたちの遊びを充実させるためのサポートの仕方を常に探求し続けています。近隣の大学の先生を招き、職員を対象とした研修を行うこともあります。また、通常の保育に携わる教諭以外にも外部から専門講師を招き、子どもたちに体育指導や音楽指導、造形指導、プール指導を行なっています」

体育指導ではマットや鉄棒、ドッジボール、運動会競技などを専門講師から教わります。発達に応じた指導を行い、運動が苦手な子も楽しんで取り組むことができるプログラムになっています。音楽指導では毎月の歌の指導をはじめ、ピアニカやわらべ歌、リズム遊びなどに触れます。さまざまな音楽表現を通し、発表会へとつながるようにしていきます。造形指導は絵や製作活動を通し、描く楽しさや表現する面白さに気づくきっかけをつくります。プール指導では水に慣れることから始まり、水遊びの楽しさを知っていきます。

このように、子どもたちの五感を刺激するさまざまな活動が計画されています。

預かり保育や小規模保育施設利用者向けの園庭開放を実施。多様な家庭環境を考慮した子育て支援

小規模保育施設利用者向けの園庭開放の様子。パネルシアターや手遊び、季節の歌などを楽しみます。
小規模保育施設利用者向けの園庭開放の様子。パネルシアターや手遊び、季節の歌などを楽しみます。

いわさき幼稚園には多様な家庭環境の子どもたちが通園しています。その理由は、いわさき幼稚園が子どもだけでなく保護者にも寄り添った保育や支援を展開しているからではないでしょうか。

前山主任「当園では徒歩通園と自転車通園をお願いしているため、送迎時に保護者の方と直接お話をする時間が持てるのです。家庭での様子やちょっとした気になることを共有したり、降園時に園での姿を言葉でお伝えできるので、保護者の方もホッとした表情になります。また、子どもたちにとってもおうちの人と一緒の道中は楽しいようです。色々なお話をしながら通園したり、交通ルールについて学んだりする機会にもなります」

預かり保育や小規模保育施設利用者向けの園庭開放、地域の未就園児に向けたひろばも実施しているため、就労中の保護者や小規模保育施設に通う保護者、まだ幼稚園に通っていないお子さんがいる家庭の方にとっても、いわさき幼稚園は安心できる居場所となっています。

関山理事長「その他にも、いわさき幼稚園では教育相談を実施しています。月に2回、専門のカウンセラーを園に招き、保護者が子どもの発達や気になることを相談できる機会となっています。スタートして2年目の取り組みですが、幼稚園の職員以外にも相談できる専門家がいることで、保護者の安心感につながっています」

園庭開放の様子。季節の遊びを楽しみます。
園庭開放の様子。季節の遊びを楽しみます。

小規模保育施設から幼稚園へ。お子さんを通わせるママの声を紹介

保護者と親しげに話す前山主任。幼稚園の先生は、子どもの成長の喜びを共有できる心強いパートナー
保護者と親しげに話す前山主任。幼稚園の先生は、子どもの成長の喜びを共有できる心強いパートナー

いわさき幼稚園は松戸市内の小規模保育施設と連携を図り、スムーズな入園を後押しする「推薦制度」を取り入れています。幼稚園入園後は預かり保育を利用することによって、働きながらお子さんを幼稚園に通わせることができます。

小規模保育施設から幼稚園への「推薦制度」について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
https://www.matsudo-yochienguide.com/#renkei-kaishi

今回お話をお聞きしたAさん(仮名)もまた、小規模保育施設を卒園後、いわさき幼稚園にお子さんを入園させました。実際に幼稚園を利用してみてどんなことを感じたのか、お話を聞いてみました。

Aさん「自宅から通える範囲で幼稚園を探していました。遊びを中心とした教育方針に共感したのと、見学の際に園の雰囲気が気に入ったことが決め手になりました。この園ならうちの子にも合っていそうだなと思ったんです」

今では幼稚園が大好きというAさんのお子さん。しかし、入園当初は慣れるまでに時間がかかったそうです。

Aさん「自分の気持ちを言葉で表現するのが苦手な子なので、園生活に慣れるまでに時間がかかりました。いわさき幼稚園に通う前は小規模保育施設で集団生活を経験していたものの、集団の規模が急に大きくなったことで本人も戸惑っていたようです。入園から2ヶ月くらいは泣いていたのですが、次第に慣れていき、お友達や先生と過ごす楽しさを感じられるようになりました。体を動かすことや音楽、造形など、幼稚園の活動はなんでも楽しんでいます。言葉のやりとりや生活習慣なども身につき、メリハリのある幼稚園生活の中で社会性を学んでいることが分かります。リュックや持ち物、着替えの準備なども自分でできるようになりました」

お話を聞かせてくださったAさんとお子さん。
お話を聞かせてくださったAさんとお子さん。

ご自身の幼稚園探しの経験を振り返り、我が子に合った園選びについてAさんはこのように考えます。

Aさん「幼稚園を探すときは、見学に行くことが大切だと思います。私はこちらの幼稚園以外も見学に行ったのですが、ホームページに記載された理念と実際に肌で感じる雰囲気に差を感じた園もありました。実際に園を訪れて、先生たちと会話をしたり遊んでいる子どもたちの姿を見ることで分かることはたくさんあると思います」



先生が考える園選びのポイントは?我が子の良さが伸びる幼稚園を探そう

園庭で先生と一緒に遊ぶ子どもたち。
園庭で先生と一緒に遊ぶ子どもたち。

最後に、これから幼稚園入園を検討している保護者の方に向けて、理事長と園長からメッセージをいただきました。

前山主任「ぜひ見学に来てください。足を運んでいただくことで、幼稚園の楽しさが伝わると思います。また、小規模保育施設などで集団生活を経験したことがあるお子さんであっても、新しい幼稚園に通うことは大きな環境変化となります。最初はお子さんの様子を注意して見守りながら、無理なく幼稚園生活に慣れていけるように手立てを一緒に考えていけたらと思います。前の園やご家庭での様子もぜひ教えてくださいね」

関山園長「幼稚園によって教育方針や活動内容は異なります。そのため、我が子にどんな教育を受けさせたいのかを考えた上で園選びをすることが重要です。家庭と幼稚園の教育方針にズレがないか、お子さんの性質に合った幼稚園であるかなどをよく考えた上で入園を決めることがいちばん大切だと思います」

一人ひとりの子どもたち、そして保護者に寄り添ういわさき幼稚園。「我が子を通わせてよかった!」と思う幼稚園選びについて、たくさんのヒントを教えていただきました。

今回取材に協力してくださったいわさき幼稚園のみなさん、ありがとうございました!

※今回はいわさき幼稚園の取り組みを紹介させていただきましたが、すべての幼稚園で同様の取り組みが行われているわけではありません。あらかじめご了承ください。

※記事でお伝えした内容は2023年7月現在の情報になります。入園や見学などを検討されている場合はお電話等で直接お問い合わせいただくか、各園のHP等に掲載されている情報をご確認ください。


いわさき幼稚園

いわさき幼稚園
〒271-0044
千葉県松戸市西馬橋2丁目6番地の23
TEL 047-342-8706
運営:学校法人なごみ学園
HP:https://iwasaki-kinder.info/

取材執筆/佐藤愛美(保育ライター)
取材実施日:2023年7月14日