幼稚園に入園できるのは年少クラスから、というイメージが強いかもしれませんが「プレ保育」や「満3歳児クラス」の仕組みを利用すると年少クラスに入る前に幼稚園に通うことができます。
今回はプレ保育と満3歳児クラスを行なっているむつみ幼稚園にお邪魔し、園長先生や実際に利用している保護者のみなさんに詳しくお話を伺いました。入園を検討している方はぜひ、それぞれの特色や活動内容、利用するメリットなどについてチェックしてみてくださいね!プレ保育の活動の様子も写真と共にご紹介します。
緑に囲まれた広い園庭で、四季折々の自然に触れながら数多くの体験ができるむつみ幼稚園。集団生活をする中で、まわりの人や物、自然などを大切にする気持ちを育む教育を行なっています。また、小学校就学を視野に入れて英語学習やIT教育を実践しているのも特色の一つ。グローバル社会で個性を発揮できるように、幼児期から遊びを通して英語に触れたり、年長児を対象にタブレット端末を導入した指導も行なっています。
お昼ご飯は完全給食ではなく月に数回ほどお弁当やおにぎりの日を取り入れ、天気が良い日は園庭にピクニックシートを敷いてみんなで食べることも。おうちの人が作ってくれたお弁当やおにぎりをお友達と一緒に食べる体験は、幼稚園を卒園してからも楽しい思い出として子どもたちの心に残るはずです。
そして、保護者の負担がなるべく軽くなるようにと様々な配慮がなされているのもむつみ幼稚園の特徴の一つです。園庭の横に広い駐車スペースを設けて車での送迎をしやすくしたり、役員や行事のお手伝いなどは基本的にはなく、やりたい人がいればお願いしているのだとか。
「各家庭のライフスタイルや時代のニーズに合わせて、その時に一番適切な手立てを考えていきたい」と語るのは、吉井いすみ園長先生(以下、吉井園長)。一人ひとりの子どもたち、そして保護者に寄り添った幼稚園づくりに力を注いでいます。
プレ保育とは未就園児を対象とした、いわば「体験版幼稚園」のことです。本格的な幼稚園入園を前に、親子で定期的に幼稚園へ通い、さまざまな遊びを体験します。対象年齢や開催頻度、活動内容、料金などは幼稚園ごとに異なるため、参加を検討されている方は各園に問い合わせてみましょう。
吉井園長「プレ保育は幼稚園に入園する前の準備として設けているクラスになります。集団生活に慣れることを目的とし、歌を歌ったり製作をしたり楽しい活動を担当の先生と一緒にやっていきます。10月頃からは母子分離を行い、先生と子どもたちだけで活動します。最初は泣いてしまうお子さんもいますが、無理のないペースで大丈夫ですよ。年明け頃にはみんなすっかりお兄さん、お姉さんになって保護者の方と別れて活動できるようになっています」
以下は、むつみ幼稚園のプレ保育の概要になります。
むつみ幼稚園のプレ保育「にこにこ組」の様子を見学させてもらいました。 お部屋の中に入ると親子が輪になって座り、朝の会が始まったところでした。先生にお名前を呼ばれたら、元気良くお返事をしてタンバリンにタッチ。このように、子どもたちが遊びながら楽しく集団生活に慣れていけるように指導の計画が組まれています。
むつみ幼稚園のプレ保育では、月刊絵本や製作活動を取り入れ、絵本や製作活動に興味が持てるようにし、きちんと椅子に座って話を聞く姿勢を身につけられるようにしているそうです。
プレ保育に参加しているお母さんたちの声も聞いてみましょう。
井戸坂さん「上の子がむつみ幼稚園に通っているので、下の子もプレ保育に通わせることにしました。環境が良い園で、子どもたちはのびのび遊べています。家で過ごしている時よりも表情が明るくなり、ダンスや歌など新しいことにもどんどん挑戦する姿が見られるようになりました」
入江さん「この子は三人きょうだいの末っ子なんです。上の子たちもむつみ幼稚園なので、先生たちのこともよく知っているし何も心配はありませんでした。息子はよく『毎日幼稚園に行きたい!』なんて言っています(笑)。幼稚園が大好きなようです。こないだはチーバくんが園に遊びに来てくれて、楽しい思い出になりました」
小関さん「通いやすさが決め手となり、むつみ幼稚園を選びました。楽しい活動がたくさんあり、娘もとても喜んでいます。集団活動はもちろん、幼稚園に来て園庭の滑り台で遊ぶだけでもすごく楽しそうにしているんですよ」
むつみ幼稚園のプレ保育では、季節の遊びを取り入れたり園行事への参加もしているそうです。初めての幼稚園でたくさんの楽しいこと、面白いことに触れて、子どもたちの興味の幅がグンと広がっていきそうですね。
満3歳児クラスとは、年度途中であっても3歳になった時点で幼稚園に入園できる仕組みのことです。3年保育よりも1年早く入園できることから「4年保育」と呼ばれることもあります。プレ保育と同様に、募集のタイミングや活動内容などは幼稚園ごとに異なるため、検討されている方は希望園に問い合わせてみてくださいね。
むつみ幼稚園では満3歳の誕生日を迎えた翌月から「いちご組」に入園することができます。
※満3歳児クラスはプレ保育の体験保育とは異なり正式な入園となります。
吉井園長「当園の満3歳児クラスは在園児との交流もあり、園行事に一緒に参加します。友達や先生と共に集団生活を経験し、少しずつ幼稚園の生活に慣れていきます。プレ保育から満3歳児クラスへ移られる方も多いんですよ。プレ保育に参加しているおよそ8割の方が満3歳児クラスへと移行しています」
プレ保育や満3歳児クラスに参加する魅力について、吉井園長に聞いてみました。
吉井園長「早くから幼稚園を知ることができるのがプレ保育や満3歳児クラスの良さだと思います。子どもたちには早くからお友達ができるし、楽しい体験もたくさんすることができます。そして、そのまま年少クラスへ入園する場合は幼稚園の環境に馴染むのが早く、年度始めから落ち着いて過ごせていますよ。子ども、保護者、園の職員たちが無理なく新年度を迎えることができる良い仕組みだと感じています」
幼稚園に正式に入園する前に、園の生活を体験できるプレ保育。「うちの子はいきなり集団に入って大丈夫?」と心配になるかもしれませんが、むつみ幼稚園のように最初は親子で一緒に参加するスタイルのプレ保育を実施している園は多いのでご安心ください。
プレ保育に通うことで子どもたちは集団生活を早くから体験し、お友達や先生との関わりを学びます。また、衣食住に関わる基本的生活習慣を身につける機会にもなります。さらに、保護者の方にとっては、同じ年齢の子どもを育てている地域のパパ・ママと交流するきっかけにもなるでしょう。
このように、プレ保育や満3歳児クラスには魅力がたくさんあるのです。
むつみ幼稚園では、地域の親子に向けて園庭開放も実施しています。緑豊かな広々とした園庭で、たくさんの遊具に触れて遊ぶことができます。
吉井園長「毎週火曜日、10時〜12時まで園庭開放を行なっています。お子さんの年齢制限はなく、プレ保育に参加している方や近所に住んでいる赤ちゃんが遊びに来てくれることもあります。多い時は30人を超える方で園庭が賑わっているんですよ。過去には連携している小規模保育施設の子どもたちが先生と一緒に訪れてくれたこともありました。むつみ幼稚園が地域の方々に開かれた場所となれば嬉しいです」
むつみ幼稚園の園庭開放は、開催日に職員室にて受付をしています。天候や園の都合によって中止になる場合もあるので、事前にHPやTwitterを確認してから遊びに行きましょう。
最後に、幼稚園入園を考えている保護者の方へ、吉井園長からメッセージをいただきました。
吉井園長「幼稚園の入園を検討している方は、ぜひ入園前に幼稚園のことをよく知る機会を作ってください。見学や体験などを実施している園はたくさんあります。まずは幼稚園に足を運び、お子さんの個性に合った幼稚園を見つけることが大切だと思います。保護者の方、そしてお子さん自身が納得した園を選ぶことが一番です」
たくさんある幼稚園の中から、どの園に入園すべきか悩んでしまう方は多いと思います。そんな時に、プレ保育や園庭開放を利用することで、入園前に幼稚園の様子を知ることができます。実際に幼稚園に行くことによって、保育内容を実際に見て確認できたり、子どもたちの雰囲気も伝わってきたりして、入園後のイメージが膨らむはず。 まずは気軽に「遊びに行く」感覚で、幼稚園に足を運んでみてはいかがでしょうか。入園に関して疑問や不安があれば、直接幼稚園に問い合わせてみてくださいね。
今回取材に協力してくださったむつみ幼稚園の皆さん、ありがとうございました!
※今回はむつみ幼稚園の取り組みを紹介させていただきましたが、すべての幼稚園で同様の取り組みが行われているわけではありません。あらかじめご了承ください。
※プレ保育や園庭開放のスケジュールや申し込み方法は園ごとに異なります。利用を検討されている場合はお電話等で直接お問い合わせいただくか、各園のHP等に掲載されている情報をご確認ください。
むつみ幼稚園
〒270-2203
千葉県松戸市六高台3-50
TEL:047-387-1706
FAX:047-387-1758
運営:学校法人 六高台学園
取材執筆/佐藤愛美(保育ライター)
3歳から小学校入学前までの子どもたちが通う幼稚園は、遊びを大切にした教育を展開する場所。
小学校への入学を見据え、子どもたち一人ひとりの学習の基盤を育てます。
行事を作り上げる先生たちの熱い思いや、子どもと一緒に行事に参加した保護者の感想を聞いてみました!
太陽が降り注ぐ広い園庭で、元気いっぱいにどろんこ遊びをする子どもたち。先生も子どもたちと同じ目線になって全力で遊び、全身どろんこまみれ。みんなの笑顔と笑い声が夏の園庭に弾けます。
大人が教え込まない子ども主体の保育の魅力や、本当の意味で環境や地域社会に貢献する自然教育の在り方について、園長である寺田美子先生のお話をもとにお伝えします。
広大な敷地の中に農園を有し、子どもたちは本格的な農業体験に挑戦しています。豊かな自然に触れて育つ子どもたちの姿や、小学校入学を視野に入れた教育についてお話を伺いました。
初めての幼稚園生活は、お子さんにとっても保護者の方にとってもドキドキするものです。特に入園前には見学や情報収集、面接対策など気になることがたくさんあると思います。
預かり保育とは、幼稚園が通常の保育時間以外に子どもたちをお預かりする制度のことで、通常の時間に送り迎えが難しい就労中の保護者の方たちから注目されています。
推薦制度や送迎ステーションの仕組みについて詳しく伺いました。利用者のママたちの声もあわせてご紹介します!
幼稚園に入園できるのは年少クラスから、というイメージが強いかもしれませんが「プレ保育」や「満3歳児クラス」の仕組みを利用すると年少クラスに入る前に幼稚園に通うことができます。
松戸市では、幼稚園と連携した小規模保育施設からの「推薦制度」の導入や幼稚園の預かり保育の拡充を支援することで、共働きの家庭でも幼稚園を選択できるよう力を入れています。