太陽が降り注ぐ広い園庭で、元気いっぱいにどろんこ遊びをする子どもたち。先生も子どもたちと同じ目線になって全力で遊び、全身どろんこまみれ。みんなの笑顔と笑い声が夏の園庭に弾けます。
今回訪れたのは、松戸市五香にある北丘幼稚園。どろんこ遊びや運動遊びなど体を使った経験を生活の中に数多く取り入れ、子どもたちの生きる力の基礎を育んでいます。北丘幼稚園の先生や、お子さんを通わせているお母さんたちに、幼稚園で育つ子どもたちの姿についてお話を伺いました。
昭和50年に開設された北丘幼稚園は、特に子どもたちの体力面の向上に力を注ぎ、体操教室や体を使った遊びを数多く取り入れています。広々とした園庭やホールがあり、友達や先生と一緒に思い切り遊び、様々な経験ができるよう環境が整えられています。七夕会やスイカ割り、親子遠足、おゆうぎ会など季節の楽しい行事も盛りだくさん。(※)
愛情豊かな教師陣が一人ひとりの子どもたちに向き合い、個性に寄り添いながら成長をサポートしています。
※新型コロナウイルスの流行により、一部内容を制限して実施しています。
鈴木孝明園長(以下、鈴木園長)「当園では運動遊びに力を入れており、一定のルールの中で健全な体力を養う教育を行っています。その子の興味や発達に応じた遊びを取り入れ、子どもがその子らしくのびのびと育つように働きかけています」
送迎バスを3台所有し、できる限り自宅のそばまで送り迎えをしているのも北丘幼稚園の特徴のひとつ。子どもだけでなく、子育て中の保護者にも寄り添った幼児教育を実践しています。
北丘幼稚園では毎年夏にどろんこ遊びを実施しています。様々な行事や活動の中でも、このどろんこ遊びは何十年もの歴史を誇る名行事。園庭を隅々まで使い、子どもたちは泥だらけになりながら思い思いの遊びを楽しみます。降園時間にはすっかり疲れて眠そうになってしまう子もいるほど。それだけ夢中になってパワー全開で遊んでいるのですね。
どろんこ遊びにかける先生たちの思いを、鈴木園長に聞いてみました。
鈴木園長「どろんこ遊びは当園が創立して間もない頃から行われている遊びのひとつです。現在は感染症の流行により人数制限をしながら実施していますが、以前は保護者にも参加していただき大人数で盛大に行っていました。子どもはもちろん、保護者も先生たちもみんな全力で遊びます。家庭ではなかなかできない泥遊びを幼稚園で思い切りさせてあげたい、という思いで教師陣も毎回工夫しながら環境構成をして子どもたちと関わっているんですよ」
また、鈴木園長は幼児期に高めたい「非認知能力」についても着目しています。
鈴木園長「自分の感情をコントロールする力、人とうまく関わる力、目標に向かって頑張る力、苦難を乗り越える力、これらを総称して『非認知能力』と呼びます。幼児期はそういった力がぐんと伸びる時期です。この非認知能力が小学校入学後の学力形成に影響を与えることが海外の研究でも明らかになっています。当園では、どろんこ遊びをはじめとする様々な遊びや体操教室などを通じて、子どもたちの非認知能力の伸ばしていくことを目指しています。そのためには、肯定的な言葉掛けをしたりスキンシップをしたり、時には何も言わずにそばで見守ることも大切です。そして、子どもの主体性を尊重しながら大人の視点で助言をすることが必要な時もあります。これは園生活だけでなく家庭でもできることなので、ホームページのコラムなどを通じて保護者の皆さんにも随時お伝えしています」
北丘幼稚園にお子さんを通わせる4人のお母さんたちにもインタビューさせていただきました。幼稚園生活の魅力や、先生たちに対して思っていることを聞いてみたいと思います。
櫻井さん「入園前に見学に来た時に、子どもたちがみんなのびのびと遊んでいて、我が子もこういう風に育ってほしいと感じたんです。色々な方針の幼稚園があるけれど、北丘幼稚園は小学校入学までのびのびと子育てをしたいと考えている方に合っているかもしれませんね」
中村さん「親御さんによって子育ての方針は違うと思うので、自分の考え方やお子さんの姿に合った幼稚園を選ぶのが良いと思います。私の場合は、ルールを身につけた上で自由に遊ばせてもらえるこの幼稚園が気に入っています」
渡邊さん「こちらの幼稚園では子どもが子どもらしく育っていると感じます。小さい頃から集団生活に入ることが当たり前の世の中になってきましたが、ここではなるべく自由にさせてもらえるので。その一方で、マナーやルールなどはしっかりと教えてもらえます。最高の環境です」
北丘幼稚園の一定のルールの中で自由に育てるという教育方針を気に入っていると話すお母さんたち。幼稚園入園後には、お子さんたちの姿にも変化があったそうです。
小川さん「うちの子は甘えん坊で神経質な性格なので少し心配だったんです……。でも、幼稚園に入園して先生やお友達と関わったことによって、おおらかな性格に変わってきました。ずいぶんとお姉さんらしくなりましたよ」
渡邊さん「幼稚園に入園してからよく喋るようになったと思います。お友達の名前やその日の出来事、喧嘩したことも、楽しいことも、色々教えてくれます」
櫻井さん「入園前よりお友達と遊ぶことが上手になりました。以前は一人で遊ぶことが多かったのですが、最近は公園で知らない子にも積極的に声を掛けて遊んでいます。幼稚園でも学年を越えてたくさんのお友達と遊んでいるんでしょうね」
幼稚園生活の強みは、やはりたくさんのお友達や先生と関わることができる環境。家庭ではできない経験を通して、お子さんたちは心身ともに大きく成長しているようですね。 そして、保護者のみなさんの安心感の背景には、愛情深く教育を行う先生たちの姿がありました。
小川さん「先生たちは子どもの日々の様子をこまめに共有してくれます。園での子どもの様子がよく伝わってくるので安心しています」
中村さん「いつも先生たちの愛情を感じています。北丘幼稚園の先生たちは『絶対にこうしなきゃいけない』という姿勢ではなくて、どうしたら子どもたちのためになるかを一生懸命に考えて力を尽くしてくださっています。そんな先生たちの姿を見ると、私も育児を頑張ろうと思えるんです」
櫻井さん「在園児ではない下の子の名前まで覚えてくださって、本当に愛情深く見守ってもらっています。いつも先生と一緒に子育てをしているような感覚です」
北丘幼稚園には、子どもたちにも保護者にも愛される名物先生がいるそうです。体操教室の先生であり、バスの運転手、園の環境整備まで手掛ける幼児教育のエキスパート・中台(なかだい)先生です。どんな思いで子どもたちに向き合っているのでしょうか。
中台先生「子どもたちには得意なこと、不得意なこと、一人ひとりに個人差があります。だから、体操教室の中では『できること』ではなく『楽しく体を動かして遊ぶ経験』を重視しているんです。上手にできなくても大丈夫。楽しむことがいちばん大切なんですよ」
中台先生は、育児で悩むお母さんたちに対しても前向きな言葉で励まし、目の前の子供たちの姿に対して「今はこの姿でいいんだよ!」と肯定の言葉を掛けてくれるそうです。まさに幼稚園生活の楽しさを教えてくれる存在。子どもたちだけでなく保護者からも厚い信頼を得ていることにも納得です!
最後に、幼稚園入園を検討している保護者の方々へ鈴木園長からメッセージをいただきました。
鈴木園長「北丘幼稚園には心があたたかく優しい先生がたくさんいます。『ここまでやるのか!』と驚くほど、子どもたちのことを第一に考えて一生懸命に教育をしている先生ばかりです。一人ひとりの個性や発達の差にも配慮して受け入れていますので安心してお任せください。保護者の方の声にもありましたが、のびのびと子育てをしたいと考えている方にはぴったりの幼稚園だと思いますよ」
そう語る鈴木園長も、幼児教育に情熱を持って臨む教育者の一人。子どもたち、保護者、そして先生たちと真摯に向き合い、より良い園づくりを目指しています。
北丘幼稚園をはじめ、幼児教育の現場を知りたい方は、ぜひ一度、幼稚園に足を運んでみてはいかがでしょうか。子どもたちの表情や先生たちの姿勢を間近で見て、ぜひお子さんが自分らしく個性を発揮できる園を探してみてくださいね。
今回取材に協力してくださった北丘幼稚園の皆さん、ありがとうございました!
※今回は北丘幼稚園の取り組みを紹介させていただきましたが、すべての幼稚園で同様の取り組みが行われているわけではありません。あらかじめご了承ください。
※入園や見学などを検討されている場合はお電話等で直接お問い合わせいただくか、各園のHP等に掲載されている情報をご確認ください。
北丘幼稚園
〒270-2213
千葉県松戸市五香7丁目19-1
TEL.047-385-4335
運営:学校法人 北丘学園
取材執筆/佐藤愛美(保育ライター)
3歳から小学校入学前までの子どもたちが通う幼稚園は、遊びを大切にした教育を展開する場所。
小学校への入学を見据え、子どもたち一人ひとりの学習の基盤を育てます。
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推薦制度や送迎ステーションの仕組みについて詳しく伺いました。利用者のママたちの声もあわせてご紹介します!
幼稚園に入園できるのは年少クラスから、というイメージが強いかもしれませんが「プレ保育」や「満3歳児クラス」の仕組みを利用すると年少クラスに入る前に幼稚園に通うことができます。
松戸市では、幼稚園と連携した小規模保育施設からの「推薦制度」の導入や幼稚園の預かり保育の拡充を支援することで、共働きの家庭でも幼稚園を選択できるよう力を入れています。