幼稚園では年間を通してさまざまな楽しい行事を開催しています。運動会や発表会といったお馴染みのイベントから、七夕祭りや果物狩りなど季節にちなんだものまで園によって行事の数や内容は異なります。
今回は、子どもたちを楽しませるために数多くの行事に力を注いでいる八柱幼稚園に足を運び、行事を作り上げる先生たちの熱い思いや、子どもと一緒に行事に参加した保護者の感想を聞いてみました!
「幼稚園の行事ってどんなかんじなの?」と気になっている方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
1975年に創立した八柱幼稚園は、数多くの経験を通じて一人ひとりの個性を見出す教育を重視しています。先生と子どもだけではなく保護者や地域の人々が一致団結し、みんなで幼稚園の活動を作り上げているのも園の特徴です。
自然環境をそのまま活かした傾斜地のある園庭は、子どもたちが思い切り体を動かすことができる楽しい遊び場。下から駆け上がったり上から転がったり、敷地内に生息する動植物に親しみながら友達の輪の中で楽しい経験を重ねています。
行事の盛り上がり方がすごい!と保護者や地域の方たちからも評判の八柱幼稚園。実際に本番はどのような様子なのでしょうか。いつも全力でイベントを盛り上げている先生たちの声を聞いてみましょう。
岩田洋子理事長・園長補佐(以下、岩田先生)「八柱幼稚園の行事の盛り上がりは毎回本当にすごいんですよ!運動会やお遊戯会、クリスマス会など子どもも保護者もいつも楽しみにしてくれています。そして、先生たちの思い入れも強く、みんなを楽しませるために本気で取り組んでいます」
松澤穂積園長(以下、松澤園長)「当園では園庭で運動会を行うのですが、特徴的な傾斜地の環境を活用し、保護者はスタジアムのように観覧できるようにしています。子どもたちは広々とした園庭で競技をして、特にリレーはいつも大盛り上がりです」
岩田先生「松澤園長が毎回リレーの実況をしているんですが、迫真の実況は保護者たちにも人気です!それを運動会の目玉だと思っている方もいるくらいです(笑)」
飯沼誠名誉園長(以下、飯沼先生)「大人も子どももとにかく真剣、そして本気なんです。夢と希望と感動が幼稚園のモットーですから、そのために先生たちは日頃から精一杯準備をしています。行事の後はみんな涙を流しますよ。リレーで負けて悔し泣き、卒園式で感動の涙。私は先生や子どもたちにも『泣いてもいいんだよ、恥ずかしくない』と伝えています。感動によって人は成長するんですからね」
松澤園長「みんな、それだけ真剣に取り組んでいるということなんですよね」
岩田先生「先生たちにとっては我が子ではないけど、自分の子どもと同じくらい情熱を持って日頃から接しています」
八柱幼稚園の先生たちが行事を開催する上で大切にしているのは、子どもたちと一緒に楽しめるイベントにすること。
保護者の存在も行事の成功において欠かせない、と八柱幼稚園の先生たち。子どもと大人が一体となってイベントを作り上げることで、より感動的で思い出に残る1日になります。
松澤園長「良い教育をするには幼稚園の力だけでなく保護者の力も必要です。行事の計画やお手伝いなども保護者の方にお願いしています(※)」
※近年は、新型コロナウイルスの影響による制限もある。
飯沼先生「それぞれの行事は子どもたちにとっても思い出深く、すごく嬉しい経験になっているようです。幼稚園の教育は教員が行うものと思われるかもしれませんが、親御さんの存在も非常に大切なんです」
岩田先生「実は私の二人の子どもも八柱幼稚園出身なんです。行事や日常の保育において先生と保護者が密にコミュニケーションをとって意見をかわし合い、一緒に成長を見守っていました。そういう中で支え合ってきた保護者同士の繋がりも強いです。卒園して時間が経ってもみんな仲が良く、今でも支え合える仲間です」
保護者と手を取り合って保育していると話す八柱幼稚園の先生たち。それでは、現在八柱幼稚園にお子さんを通わせている保護者の方はどう感じているのでしょうか?三人のお母さんたちにインタビューしてみました。
高橋さん「うちの子は行事の中では特にクリスマス会が一番好きみたいです。プレゼントをもらえるので嬉しいのだそうです(笑)。家でもよくクリスマス会の思い出について話しています」
親戚の子が八柱幼稚園に通っていたことをきっかけに、入園を決めたという高橋さん。入園前に園の行事を見学し、楽しそうな子どもたちやのびのびとした園の環境を見て「我が子もここに通わせたい」と思ったそうです。
子安さん「運動会の最後には、先生たちが一人ひとりに『どうだった?』とインタビューしてくれるのですが、うちの長女が『夜中までやりたいくらい楽しかった!』と言っていたのが印象深いですね(笑)。そんなにまでやりたいくらい楽しかったんだなあと。家に帰ってからも、しばらく首にメダルをかけたままでしたよ。彼女の心に強く残った運動会だったのでしょう」
いくつか園見学をして、活気ある八柱幼稚園に入園を決めたという子安さん。子どもがやりたいことを自由にやらせてくれる教育方針が気に入っているそうです。昆虫探しや泥遊びなど、家庭では敬遠してしまう遊びも、幼稚園だったら思い切りできます。子安さんのお子さんも幼稚園で遊ぶことが大好きなのだとか。
荒井さん「うちの子は女の子なのですが、お遊戯会で衣装を着られることを楽しみにしています。普段とは違う服を着られるのが嬉しいようです。それから運動会も好きみたいです。最後にメダルをもらえて喜んでいました」
プレ保育にも参加したという荒井さん。幼稚園に通い始めたことで以前よりお手伝いをたくさんしてくれるようになった、とお子さんの成長を振り返ります。
また、保護者と結び付きが強い八柱幼稚園では、通常の行事のほか、こんなユニークな取り組みも行なっています。
松澤園長「当園独自の取り組みのひとつに“パパ会”というものがあります。お父さんたちが中心となって子どもたちが楽しめるイベントを企画、開催するんです。ザリガニ釣り大会やミニ運動会などが恒例になっています」
3、4、5歳の頃に体験する楽しい行事は、子どもたちにとってかけがえのない思い出になるはず。遊びを軸とした幼稚園における体験について、八柱幼稚園の創設者でもある飯沼先生はこのように考えます。
飯沼先生「その子の個性を大切にして、遊びを主体とした体験をすることが教育の基本です。どろんこ遊び、絵の具、プール……私たち教員は、子どもの発達に基づいて体験を大事にした教育をしています。やりたいことはなんでも体験できるのが幼稚園の良いところです。何度も何度も体験し、子どもはその中から自分の好きなものを見つけていくんです。だから、子どもたちが毎日『楽しいな』と言いながら幼稚園に来られるような教育を大事にしていきたいですね。そのためには子どもだけでなく、先生たちもお母さんお父さんたちも、みんなが楽しくなくてはいけません」
松澤園長「幼児教育の根底はそこですよね。先生が子どもの心を理解して楽しむこと。面白いことを同じ目線で面白いと感じることです」
飯沼先生「先生たちが明るく楽しく一生懸命なのが当園の自慢です。それに、保護者の皆さんも一生懸命なんです。みんなで一緒に子育てを楽しむ姿勢を大事にしています」
岩田先生「子どもが子どもらしく、楽しく遊びながら色々な経験を積むことができる場所でありたいですね」
最後に、これから我が子の幼稚園入園を考えている保護者の方に向けて先生たちからメッセージをいただきました。
松澤園長「幼稚園は親元を離れて初めての集団生活です。ここは人との関わりを学ぶ場所でもあるので、保護者の皆さんにもぜひ関わりを持つ時間を大切にしていただきたいです。育ち合う時間を一緒に経験しましょう。そして、心配事があればなんでも私たちに相談してください。一緒に考えながら子育てをしていきましょう」
岩田先生「初めての集団生活を不安に思っている保護者の方は多いのではないかと思います。私たちは子どもが小学校に入学する時まで親身になってサポートしていきます。働いているお母さんも増えていますが、幼稚園でできる限りサポートしていきますのでご安心ください。子どもだけでなく保護者にとっても安心できる幼稚園を目指します」
飯沼先生「卒園した子どもたちが小中高と進学する時や結婚した時、そして親になった時に幼稚園に来てくれることがあります。本当に嬉しいことです。幼稚園が地域社会の核となり、みんなが大人になっても親になっても繋がり合える場所を残していきたいと思っています。一生の中でいちばん大切な幼児期の教育、ぜひ私たちと一緒に八柱幼稚園で過ごしてみませんか。ここには夢と感動がたくさんありますよ」
緊張しながらも立派な姿を披露できた発表会。
リレーで1位になれなくて悔し涙を流した運動会。
園生活の集大成とも言える卒園式。
我が子の育ちを目の当たりにする行事は、子どもにとっても親にとっても一生忘れられない大切な宝物となるでしょう。そしてその思いは、幼稚園の先生たちにとっても同じであるということが今回の取材でよく分かりました。
各幼稚園がそれぞれの特色を活かした楽しい行事を開催しているので、ぜひ見学の際にチェックしてみてくださいね。また、入園に関して分からないことや不安なことがあれば、幼稚園に相談してみましょう。
今回取材に協力してくださった八柱幼稚園の皆さん、ありがとうございました!
※今回は八柱幼稚園の取り組みを紹介させていただきましたが、すべての幼稚園で同様の取り組みが行われているわけではありません。あらかじめご了承ください。
八柱幼稚園
〒270-2252
千葉県松戸市千駄堀1485-15
TEL 047-385-2558
FAX 047-389-9001
運営:学校法人 八柱学園
取材執筆/佐藤愛美(保育ライター)
3歳から小学校入学前までの子どもたちが通う幼稚園は、遊びを大切にした教育を展開する場所。
小学校への入学を見据え、子どもたち一人ひとりの学習の基盤を育てます。
行事を作り上げる先生たちの熱い思いや、子どもと一緒に行事に参加した保護者の感想を聞いてみました!
太陽が降り注ぐ広い園庭で、元気いっぱいにどろんこ遊びをする子どもたち。先生も子どもたちと同じ目線になって全力で遊び、全身どろんこまみれ。みんなの笑顔と笑い声が夏の園庭に弾けます。
大人が教え込まない子ども主体の保育の魅力や、本当の意味で環境や地域社会に貢献する自然教育の在り方について、園長である寺田美子先生のお話をもとにお伝えします。
広大な敷地の中に農園を有し、子どもたちは本格的な農業体験に挑戦しています。豊かな自然に触れて育つ子どもたちの姿や、小学校入学を視野に入れた教育についてお話を伺いました。
初めての幼稚園生活は、お子さんにとっても保護者の方にとってもドキドキするものです。特に入園前には見学や情報収集、面接対策など気になることがたくさんあると思います。
預かり保育とは、幼稚園が通常の保育時間以外に子どもたちをお預かりする制度のことで、通常の時間に送り迎えが難しい就労中の保護者の方たちから注目されています。
推薦制度や送迎ステーションの仕組みについて詳しく伺いました。利用者のママたちの声もあわせてご紹介します!
幼稚園に入園できるのは年少クラスから、というイメージが強いかもしれませんが「プレ保育」や「満3歳児クラス」の仕組みを利用すると年少クラスに入る前に幼稚園に通うことができます。
松戸市では、幼稚園と連携した小規模保育施設からの「推薦制度」の導入や幼稚園の預かり保育の拡充を支援することで、共働きの家庭でも幼稚園を選択できるよう力を入れています。